機械学習図鑑
強い疑問を持つ男性読者

「機械学習をこれから勉強しようと思うんだけど、良い本ないかな?」

「機械学習の専門書ってどれも難しくて分かりにくい・・・。分かりやすい本ないかな?」

そんな悩みをお持ちの皆さんに向けて、この記事を書いています。

今回ご紹介するのは、「機械学習図鑑(翔泳社)」です。

僕はこの本を読むことによって、機械学習の知識を効率的に身につけることができ、製薬会社で機械学習の仕事をこなせるようになりました

そこでこの記事では、機械学習図鑑の特徴とおすすめの勉強法を紹介します。

このレビュー記事を読むことによって、皆さんも早ければ1か月程度で機械学習の実務をこなすことができるようになりますよ。

「機械学習図鑑」の特徴

「機械学習図鑑」は、機械学習でよく使われるアルゴリズムについて、それぞれのアルゴリズムの特徴や違いについて解説されている専門書です。

アルゴリズムというのは、「計算方法」だと思ってもらえば良いと思います。

あるデータを学習させて、そこから導き出される法則性をもとに予測モデルを作り、別のデータを当てはめて予測するのが機械学習ですが、予測モデルを作るための計算方法はいろいろあるわけです。

そして、そんないろいろなアルゴリズムを解説しているのが「機械学習図鑑」というわけです。

以下に、実際に僕が読んでみて感じたこの本の特徴を書いていきます。

実際によく使われるアルゴリズムが網羅されている

一言に「機械学習」といっても、いろいろなアルゴリズムがありますが、「機械学習図鑑」はこの本1冊で実務で使うアルゴリズムが網羅されています

製薬会社の仕事では、化合物の活性だったり、体内動態だったりを予測するために機械学習を使うわけですが、どのアルゴリズムを使えば予測精度が高くなるのか、実際にデータを用意して予測モデルを作ってみないと分からないこともあります。

そういった場合には、いろいろなアルゴリズムで機械学習をやってみるわけですが、使ったアルゴリズムそれぞれの特徴や違いが分かっていないと、ある一つのアルゴリズムで良好な予測結果が出たとしても、どうして精度よく予測できたのか、今後も使える方法と言えるのかなどが考察できなくなってしまいます。

今は機械学習に関連する専門書はたくさん発売されていますが、何か1つあるいは数個のアルゴリズムしか解説されていないものもあって、上で書いたようなアルゴリズムをいろいろ試して検討するような仕事をする場合には、何冊も専門書を買って勉強しないといけなくなってしまいます

一方で、「機械学習図鑑」では、「線形回帰」から始まり、「ロジスティック回帰」、「サポートベクトルマシン」、「ランダムフォレスト」、「ニューラルネットワーク」、「PCA」、「k-means」、「t-SNE」など計17種類のアルゴリズムが取り上げられています。

そういう意味では、1冊で色々なアルゴリズムが解説されている「機械学習図鑑」は、とてもコストパフォーマンスの高い専門書といえます。

カラーの図があって分かりやすい

「機械学習図鑑」は、本全体がカラーで書かれており、見やすく読みやすいうえに図もたくさん入れられていて、数式ではなくイメージで理解しやすく工夫されています。

機械学習の専門書は白黒のものも多いですが、カラーだと集中力やモチベーションが維持しやすいなと感じました。

「機械学習はそんなに難しく考える必要はなくて、まずはイメージだけでも理解できればいいんだよ」というメッセージがあるのかもしれないなと思います。

Pythonコードが記載されている

機械学習はPython(パイソン)というプログラミング言語で行うことが多いんですが、「機械学習図鑑」には各アルゴリズムの計算を実行するためのPythonコードが載っています。

なので、本を見ながらパソコンでコードを打って実行してみるということができます。

機械学習のライブラリとしては、scikit-learnが使われており、用いるデータセットだけ代えて、あとのコードはそのままでも実務で機械学習プログラミングができます。

機械学習に使うデータセットも、オープンソースで公開されているものが使われているので、誰でも利用することができるようになっています。

以上のように、「機械学習図鑑」では実践演習を積みながら機械学習のアルゴリズムに関する理解を深めることができます。


おすすめの使い方

オーソドックスな使い方としては、「1日1アルゴリズム」というようにノルマを決めて読み進めていくのが良いかなと思います。

実際に僕は土日を使って、1日4アルゴリズムぐらい勉強したので、土日4日間つまり2週間で一通り読むことができました。

大体1アルゴリズムにつき6ページ前後なので、コードを書きながらでも1~2時間ぐらいで1つのアルゴリズムの勉強は終わると思います。

また、「機械学習図鑑」に書かれているコードを自分のパソコンで打ち込んで、できあがったスクリプトファイルをいつでも見返せるようにしておけば、そのスクリプトを見ながら実務を進めることもできます。

実際に僕は、「機械学習図鑑」に載っているコードをもとに、仕事の機械学習用のコードを書いています。

注意しないといけないこととしては、「機械学習図鑑」を読む前にPythonの基本的な文法は理解しておく必要があるということです。

「機械学習図鑑」は、機械学習の基礎は説明がありますが、プログラミング言語としてのPythonの基礎の説明はほとんどありません。

なので、「機械学習図鑑」というのは、Pythonの文法を勉強してこれから機械学習に取り組もうとしている人向けということになります。

Pythonの文法や構文に関しては、ProgatePyQで勉強することができますので、利用してもらえたらと思います。

詳しくは別の記事に書く予定です。

まとめ

この記事では、「機械学習図鑑」のレビューをしてきました。

一冊で17ものアルゴリズムが網羅されていて、カラーの図も使いながら分かりやすく解説されている専門書は他にないと思います。

これから機械学習の仕事を始める人には必携の一冊です。