「これから質量分析をやるんだけど、何を勉強したらいいの?」
「質量分析計を使ってルーチンの仕事をしてるけど、質量分析の原理について知りたい。」
こんなお悩みは疑問をお持ちの皆さんへ向けてこの記事を書いています。
僕は大学4年の時に分析化学を専門とする研究室に配属されて、実際に質量分析計を使って実験をしていく中で、原理やトラブルシューティング方法を学んでいきました。
でも、身近に質量分析を触る機会なんてない、という人も多いと思います。
そんな人たちには、「これならわかるマススペクトロメトリー」を読むことをおすすめします。
この本を読めば、実際に仕事で質量分析計を扱うときに必要な最低限の知識が身につきます。
「これならわかるマススペクトロメトリー」の特徴
「これならわかるマススペクトロメトリー」(化学同人)は、質量分析(mass spectrometry: MS)の初心者向けに、MSの原理から、データの見方、実験で気を付ける点など、
です。全体で160ページ程度と分厚いわけでもなく、一つのセクションも2~3ページ程度で完結するので、すきま時間に少しずつ読み進めるのにもおすすめです。
製薬会社では、液体クロマトグラフィー(liquid chromatography: LC)と組み合わせて、LC/MSとして使用することが多いですが、クロマトグラフィーとの接続についても解説されています。
分厚い専門書のように分量が多いわけではないですが、この一冊に書かれていることを知っていれば
、というぐらいのことが書かれています。
おすすめの勉強方法
上でも書いた通り、一つのセクションは2~3ページ程度で完結するので、1日10分程度の時間が取れれば、毎日すきま時間でも少しずつ読み進めることができます。
実際に装置を触らないと理解できない部分もありますが、「なんかこんなこと書いてあったな。この本のどこかで見たな」ぐらいに頭の片隅にでも覚えておけば、実際に装置を使うようになってもう一度この本を読めば理解を深めることができます。
分析化学関連では他にも分厚い専門書が売られていたりしますが、個人的にはこの一冊と、「これならわかる液体クロマトグラフィー」の内容さえ理解できていれば、知識としては充分で、これ以外には必要ないと、実際に製薬会社で分析装置を触りながら仕事をしている身としても思います。
「これならわかる液体クロマトグラフィー」については、別の記事で書いているので、詳しく知りたい人はそちらを読んでください。
まとめ
ここでは、質量分析初心者におすすめしたい本「これならわかるマススペクトロメトリー」についてレビューしました。
質量分析というと、とても高価な機器で、使いこなすのも難しそうというイメージはあると思いますが、この本に書かれていることさえ理解できれば、実際の仕事でも充分使いこなせます。
質量分析についてまず何を勉強すればいいのか迷ったら、この本の購入を検討してみてもよいのではないでしょうか。