上司からの評価
考える男性研究者

「プログラミングを仕事で使いたいんだけど、上司が理解を示してくれない・・・」

「プログラミングで成果が出たのに、プログラミングに詳しくない上司にうまくアピールできない・・・」

この記事はそんな悩みをお持ちの皆さんに向けて書いています。

確かにプログラミングは成果が見えにくいと思われがちなところがあります。

僕自身も、製薬会社でプログラミングをやっていても、なかなか周囲に理解してもらえない時期もありました

でもそんな僕でも、今となっては、周りの同僚から感謝されながら、日々プログラミングで様々な問題の解決にあたっています

この記事では、どこに気をつければ上司から成果を評価してもらえるか、周りの社員からの理解が得られるかについて、解説します。

この記事に書かれていることを理解すれば、プログラミングを使った仕事の成果をどのようにアピールすべきかが明確になり、モチベーション高く「創薬エンジニア」としての仕事に励むことができるようになります。

管理職から見たプログラミングの成果とは?

どうやってプログラミングの成果を上司に評価してもらうかを考えるときには、上司から見て部下の仕事の成果をどのように評価するか、その考え方をある程度分かっておく必要があります。

「プログラミングを一生懸命勉強して、これだけの知識を身につけたんです!」

「プログラムはうまく動作しなかったけど、丸一日かけてコードを一生懸命書いたんです!」

こんな感じだと、残念ながらあまり評価をしてもらえないことが多いと思います。

プログラミングに関する専門知識がある人なら評価してくれるかもしれないんですけどね。

プログラミングに関する専門知識がなくても目に見える成果というのは以下のようなものです。

  • 作成されたプログラムによって、日常業務の一部(または全部)が自動化され、業務にかかる時間(つまり人件費)が削減できるようになった。
  • 作成されたプログラムによって、今まで人間の頭では解くことのできなかったような難しい問題が解けた。あるいは、新たな科学的知見が得られた。

もちろん、一番いいのは「プログラミング技術によって新薬開発に直接つながった」ということですが、新薬の開発はただでさえ確率の低いものだということは上司も分かっているので、そこまでの成果がなくても充分に評価してもらえます。

実際に僕の上司はプログラミングはチンプンカンプンという人ですが、僕に対して高い評定をつけてくださっています。

今までの僕の経験から、プログラミングの仕事のどんな点が評価されるか、どう成果をアピールしていくべきか以下に書いていきます。

成果のアピールポイント

実物を見せる

仕事の成果として一番分かりやすいのは、当然のことながら「成果物」です。

プログラミングで仕事をする場合は、「成果物」は「日頃の業務改善を実現するスクリプト」になるわけです。

実際に動作するプログラムが「実体」として存在していて、それが何らかの業務改善につながるものであれば、その中身の詳細がよく分からない人でも評価に値するものになります。

作成したプログラムが実際に動作するところを見せてもいいですし、業務で実際に使えるようになっていることを伝えても良いです。

「プログラミングを使えば業務改善ができるはず」というアイデアにとどまることなく、実際にスクリプトを書いて仕事を遂行する、という行動が成果として評価してもらうのに大事なことです。

実際に僕も上司から「アイデアを出すのはわりと誰でもできると思うけど、ちゃんと実行してアウトプットを出しているところが評価できるポイントだね」と言ってもらっています。

まずは、ちゃんと「実体」があることをアピールするようにしましょう。

どれぐらい業務効率が上がったか説明する

上で書いたように、「実体」としてのアウトプットがあることをアピールすれば、あとはそのプログラムがどんなメリットを持っているのか、特に日常業務に対してどのような改善をもたらしたのか、をしっかり説明する必要があります。

プログラミングの一つの目的として、単純作業の自動化というのもあると思いますが、「作成されたプログラムがあることによって、業務時間がどれだけ短縮できるか」という観点は定量的に評価することもでき、成果としてアピールしやすいポイントです。

上司から見ても、プログラミングで人件費というコストがどれだけ削減できるかということが計算できるので、評価をしやすい、というわけです。

実際に僕は、プログラミングによってルーチンのデータ解析業務にかかる時間を90%削減することに成功したわけですが、この「90%削減」という数字だけで、上司だけでなく周りの社員からの見られ方が大きく変わりました。

「ゆきやが仕事の時間をプログラミングに充てる価値は充分ある」と思ってもらえるようになりました。

もともと業務効率アップを意識していなくても、プログラミングを使った結果、多少でも業務時間が短縮されるということもあるので、業務効率がどれほど改善したかという点はプログラミングの仕事の成果をアピールするときに必ず意識したいポイントです。

どれぐらい難しい問題を解けるようになったか説明する

あともう1点は、特に機械学習にあてはまることかと思いますが、普通にエクセルなどで数式を書いて計算しようとしても、複雑で実行するのが難しい計算をして、それによって新たな知見を得た、ということも成果のアピールポイントです。

計算の過程は分かってもらえなかったとしても、「インプットのこのデータに対して、こんなアウトプットが得られました」というところを見せれば、それがプログラミングを使わずにできるかどうかは上司にも想像できることですし、プログラミングならではの成果として評価してもらいやすくなるわけです。

実際に僕も、「中では何をやっているか分からないけど、すごい結果が得られるね」と言われることがあります。

プログラムに読み込ませるデータと、出てくる結果がそれぞれどういうものなのか、に重点を置いて説明する、というのも評価されやすい成果のアピール方法です。

周囲に働きかけて業務をサポートしたことを説明する

さらに、評価が上がるポイントとしては「プログラミングという技術を生かして、周りを巻き込みながら仕事をする」ということです。

プログラミングをあまり知らない同僚に対して、「この業務ならプログラミングで効率化できると思いますよ」と働きかけ、実際にプログラムを作って業務効率化に成功する、というのは上司から見ても高い評価を与えられるところになります。

僕自身もプログラミングを勉強する前は、日常業務は「このやり方が当たり前」と無意識のうちに思うようになってしまって、「もっと効率化しよう」とかあまり考えませんでしたが、プログラミングのスキルを身につけて、日頃当たり前にやっている仕事で効率化できるものはたくさんあることに気づきました。

特にルーチンの業務というのは、なるべく効率的に行えるようになっていますが、ちょくちょく目視や手作業が必要になる部分があると思います。

でも、その目視、手作業の部分もプログラミングを使えば自動化できるところは案外多いものです。

そういったところは、プログラミングを知らない人からすれば「目視、手作業でやるしか仕方ない」と思ってしまうわけですが、プログラミングのスキルを身につければ、「こんな改善案がありますよ」といった感じで提案できるわけです。

実際に僕は、日頃当たり前になっている仕事の改善点を見つけることもよくやっていて、その仕事をすることで周りの同僚に感謝され、上司からは高い評価をもらえて、といいことづくめです。

「この作業をプログラミングで自動化してもらえませんか」という依頼が来ることもありますが、そういった依頼はあまり多くなく、こちらから働きかけて仕事を作っていく方が多いなと感じますし、上司もそういうところを見ていると思います。

まとめ

この記事では、仕事でプログラミングを使って得られた成果を上司に評価してもらうコツについて解説してきました。

もう一度要点をおさらいしておきましょう。

  • プログラミングの成果を評価してもらうには、コードを書いた過程ではなく、結果として業務にどのような影響を与えたのかを示すことが大事
  • 単純作業の自動化なら、どれだけ業務時間を削減できたのかなど、定量的に成果を示すのがポイント。
  • 周囲を巻き込みながら業務改善に取り組む姿勢を見せることも評価のポイントになる。

仕事でプログラミングに取り組む場合でも成果をどう示すのかを最初からイメージしながら業務を進めていくのがコツです。

効率化したいルーチン作業がある、などプログラミングが使えそうな場面があるなら積極的に挑戦してみてくださいね。